令和7年分路線価が7月1日に公表されました。
「路線価」は相続税・贈与税の土地評価の基準となる、主要道路に面した1㎡あたりの価格です。公示地価の概ね8割を目安としています 。
「主要道路に面している」点が特徴で、宅地評価・分筆・相続手続きなどに欠かせない地価指標です。
地価動向(首都圏)
・首都圏全体で地価は4年連続の上昇
東京圏(東京都・神奈川県・千葉県・埼玉県)全体で、全国平均を上回る上昇基調が続いています。
・東京都内商業地は特に高騰
特に都心5区(千代田・中央・港・新宿・渋谷)では、地価公示時点でも前年を大きく上回る上昇率が出ており、路線価もその流れを反映。
・住宅地も堅調
東京23区・神奈川・千葉・埼玉各地で住宅地の評価も堅調。
特に交通利便性が高い駅周辺や再開発エリアでは上昇率が目立ちます。
個別都市の特徴
・さいたま市・千葉市:上昇率が2年連続で10%超え
・さいたま市(大宮駅周辺):「グランドセントラルステーション構想」など大規模再開発が進行中。
・千葉市(千葉駅東口周辺):再開発プロジェクトの影響で大幅な地価上昇。
・東京都心部(千代田・港・中央区など)
都市再生プロジェクトやオフィス需要の回復もあり、商業地路線価は二桁台の上昇地点が続出。
・神奈川県内(横浜市など)
横浜駅西口再開発やみなとみらい地区の集客回復が影響し、緩やかながらプラス基調を維持。
業界からの首都圏評価ポイント
・再開発効果が顕著
特に東京・埼玉・千葉の中心部で、再開発や駅周辺整備が地価押上げ要因に。
・住宅価格上昇による影響も
首都圏住宅地では、資材高騰や住宅ローン金利の上昇が、今後の購買意欲に影響を与えるリスクが指摘されています。
・インバウンド需要の回復
観光地・商業地については、外国人観光客の回復による商業需要増が地価にプラス。
首都圏の総括
令和7年分の路線価において、首都圏は都心部・ターミナル駅周辺・再開発エリアを中心に全体的に上昇基調が継続。
特に東京都心・さいたま・千葉での地価上昇が目立つ一方、一部では金利や物価高騰による先行きリスクも懸念材料となっています。
上昇を一概に喜べる方々だけでないのは、景気の回復が比例して追いついていないことが大きな要因であるのも事実です。
指標をしっかり把握して、今後も適切に対応していくことがますます重要です。
自分の住まいや勤務先、出店検討エリアや不動産投資としての検討エリアなど、もう少し掘り下げて情報を調べてみたい方は、国税庁の路線価HPをご確認ください。